Welcome to my blog

small room

エリンの夢みる火トカゲ日記

 スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 その1

これは、マビノギとはあまり関係のないお話です。
ちょっと試してみたいので、自分用に…


自己満足なお試し小説です。


しんしんと降る霧雨…

雨は、悲しい記憶を呼び起こす。
何年経っても、昨日のことのように…

だから…

ずっと、晴れだったらいいのに。
そうすれば、立ち止らずに進むことができる。

そう、思うから。

0202_01.jpg


まだ幼かった頃、私達は「種の違い」を恐れなかった。
姿、形が違っていても、感じる心は同じだから。


それは確かな事実だった。
ルゥンも、私と同じ。一度心を通わせれば、とても仲良くなれた。

大人達より、私達子供の方が、ずっとわかっていた。



だけれど…私達は、それを主張するにはあまりにも弱かった。
すべてにおいて、反発するだけの力も許されなかったの。







――――――――――――――――…


「誰だっ…!」

鬱蒼とした森の中、興味心から街を抜け出して遊んでたら急に雨が降ってきた。
だから見つけた洞穴に、慌てて身を滑り込ませたんだけれど…

思いもしない声が私に向かって放たれた。
まさか先客がいるなんて思ってもみなかった私は、びくっと肩を竦ませ…
恐る恐る振り返る。


暗い洞穴の奥に光った紅い眼。
雷の閃光で、私の瞳は大きく見開かれた。

絵本で読んだことがある…けど、絵本の中の空想の人物だと思っていた…
「ダークエルフ」、闇の申し子。



夜のような青い肌、暗闇でますます不気味に映る。
母は、いつも寝る前に…良い子にしてないとダークエルフがやってきて、白いエルフを
食べてしまうんだよ、と言い聞かせていた。

それが、目の前に…本物がいる。
声も出ず、ただ驚きに立ちつくした。

紅い瞳は、ヘビの睨みのように、私をじっと捉えていた。
洞穴の暗闇に、やがて私の眼が慣れ…声の放った相手の姿が最初よりも見えてきた。

「あ…」

そこで気付いた。

「けが…してる?」

右腕の肩から指の先まで、血で濡れているような気がした。
私の指摘をうけ、ばっと相手はけがをした肩をかばう。

私がら眼をそらさない、その紅い眼には怯えの色が浮かんでいた。


私は、そっと…そのダークエルフと思われる人物に近づいた。
ゆっくり、警戒はしながらも…隠した腕が心配で、逃げるという考えが思い浮かばなかった。

じりっとダークエルフは私と距離を取ろうと後ろに後ずさる。

近づいてみると、私と年の変わらない男の子だった。
声から、もしかして…とは思っていたけれど。

そんな子が、腕に酷いけがを負っている。
怯えからか、酷く小刻みに震えていて…よっぽど怖い目にあったんだと思う。

「大丈夫。私は、リウ。貴方を傷つける気はないです。」

男の子の方も、ようやく私の姿が…同じ年頃の女の子と認識して、少し警戒が取れたようだった。
白いエルフだから、若干警戒はしていたけれど…。




そこから、私とルゥンは秘密の友達になった。
傷の手当てをしながら、何気ないことで笑いあったり、それぞれの国のことを話したり…
お互い、大人達から脅されてた絵本の内容に笑い転げた。

「なんだか、面白いな。立場逆転してるし。」

「どうして、そんな絵本作っちゃうんでしょうね。
 私達、肌の色以外おんなじなのに。」


ルゥンはぜんぜん怖くなかった。
むしろ、ユニークだし私を楽しませようと、面白い話をたくさんしてくれる。
私が手当ての為に、包帯や傷薬を持ってくると、いつも申し訳なさそうにして、

「ありがとう」

と、ちゃんと感謝の言葉を言ってくれる。

ある時、木彫りの弓矢のペンダントをつくって私にくれた時はとても嬉しかった。
ぜんぜん怖くない。

それどころか、心の優しい人だった。



―――――――――――――――――――・・・・


リウは…俺にとって恩人であり、初めてできた友達だった。

誤って父とはぐれ、白エルフの領土に入ってしまい…それを見つけた衛兵が、
俺に矢を放ってきた。


必死で逃げた。
初めて、「敵対」の言葉が現実味を帯びた。



こいつらは、俺を嫌っている。
俺を…「殺そうと」している。



俺は、彼らに何もしていないのに。


0202_02.jpg

無我夢中で鬱蒼とした森の中へと逃げ込み、
運よく草木に逃げ込んだところに洞穴があったので、そこに身を隠した。


2、3人の足音が近くで聞こえる。
身を縮めて、祈った。


どうか、気付かれないように。
さっさと、どっかいってくれ…と。





やがて、足音は聞こえなくなり…かわりにしとしとと雨音が聞こえてきた。
震えは止まらない。


なんせ、さっき命を賭けていたんだから。



そんな状況で、誰かが洞穴に入ってきた。
もうだめかと思った時に、優しく手を差し伸べてくれたのがリウだった。

俺と年の変わらない女の子。

だけど、白エルフ。


彼女の優しさに触れるうちに、俺たちは何も変わらないとわかった。
大人たちが、勝手に憎しみ合うように仕向けてるんだと…気付いた。



少なくとも、種は違うけれど…リウとは友達になれた。
俺は、けがが治れば、一度祖国へ帰る。


けれど、大人になったら再開しよう。
それまでに、お互い種族の誤解をといていこう。


リウと、そう約束した。


俺たちの、大きな夢ができた。





だけど…






しっとり湿気を漂わせる、6月の霧雨の夕方…
その夢はかなわないことを、悟った。



「立て」


ついに、白エルフの大人に見つかってしまった。

俺の背中に、槍の先が今にもささりそうな位置にある。
おとなしく従う。


「どこから侵入した、闇の使者が…」


「子供だろうが、容赦はしないよ。
 悪いガンは芽が出ないうちに叩いておかないといけない。怨むなら…


 その生まれを恨みな。」




…夢はかなわなかった。
リウと共に、手を取り合う未来を願っていたけれど。


見えかけていた、その景色に…そっと目を閉じる。



「抵抗しない・・・・けれど、ひとつ頼みを聞いてほしい」

「なんだ…」


「殺すなら外で殺してくれ。
洞窟を血で汚したくない。俺の血が、あんた達の土地にしみつくのは嫌だろ?

雨なら、きっと俺の血も消してくれるだろう。」




俺は外へ連れ出された。

これでいい…

せめて、リウには知られたくない。
俺がいなくなって…きっと探すだろう。

俺がけがが良くなって帰ったのかも、と思ってくれればありがたい。
やっぱりダークエルフだったから相容れなかった…と思ってくれたっていい…


ただ、俺が死んだことで…悲しまないでほしい。



それが、最後の俺の願いだ。



――――――――――――――――――――…


ある6月の霧雨が続く日の途中…

ルゥンがいなくなっていた。



外を見れば、霧雨は止む気配もなく降り続けている。
こんな状況で外へ出たとは考えづらくて…


焚火の傍に置いてあったのは、ナイフと…そのナイフを使って
削っていたとおもわれる、ユニコーンの木彫り。

途中だった。




不安が募り、外へ飛び出す。



さぁさぁと霧雨が続く、薄暗い森の中。

見上げたら、小さな雨粒は眼の中に入ってきた。


ルゥン…どこへいったの?



空に問いかけても、返事は帰ってくるはずもなく…
変わらず泣き続けるばかり。


どうか、無事でいて。



祈った。ひたすら祈った…


何度、洞窟へ訪れても…ルゥンは戻ってはこなかった。
雨が続く毎日。

ただ、洞窟の中でぼぉーと泣きやまない雨を見上げていた。



ずっと…ずっと。


やがて、待ち続けるだけではいけないと、旅に出る決意をした。

戻ってこないなら、探しに行くしかない。
そう、思ったの。



ずっと不安は消えない。
雨が降ると、貴方にもう二度と会えないんじゃないかって思ってしまう。


でも、もう進むって決めたから。






――――きっと、いつか、会えるって…
   晴れた青空の下で再開を喜びあえるって信じてるから。
スポンサーサイト

- 0 Comments

Add your comment

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。